以前の記事で紹介しましたParcelというライブラリをプロジェクトで使っているWebpackの代わりに導入しようとしましたが断念しました。
今回は導入にあたって詰まったことと、最終的に断念した理由をまとめたいと思います。
詰まったところ
watchモードが、一度目の保存にしか対応しない
ファイル保存を検知してビルドを行うwatchモードですが、起動後一度目に対してしかビルドが走りませんでした。
これは多くのIDEやテキストエディタで採用しているsafe_write
というものが原因らしく、公式ドキュメントには「safe_write
を切って使って下さい」と書いてありました。
なんでや……webpackは普通に動いてたやん……。
ビルドツールのためにチームメンバーのIDEの設定を変えるというのはあまり良くないと思ったので、この問題はgulp
を入れることで解決しました。が、入れるにも少し詰まりました。
gulp-parcelが動かない
GitHub - zacky1972/gulp-parcel: Command line compilation plugin for gulp.js
"gulp parcel"と検索するとすぐに出てくる上記のライブラリですが、この記事を書いている日(2018/11/07)の時点では最終コミットが2018/2/23と保守はされていないようで、自分の環境ではサンプルのままでもエラーが出て動きませんでした。gulpかParcelかのバージョンがあっていないのかなーと思いましたが、検証はしていません。
今回はファイルの変更を検知してビルドを行うだけで良かったので、コマンドを直で叩くことで解決しました。
const gulp = require("gulp"); const execSync = require('child_process').execSync; gulp.task("build", function() { console.log( execSync("npx parcel build src/index.tsx -o dist/main.js --no-source-maps --no-minify").toString() ); }); gulp.task("watch", function() { gulp.start('build') var targets = [ './src/**/*', ]; gulp.watch(targets, ['build']); });
Typescriptのトランスパイル時にエラーを吐かない
検証を進めていくと、トランスパイル時に型違いなどで本来エラーが出てほしい時に何も出ないという挙動がありました。
string型に数字を入れたり、number型に文字列を入れたりしようとするコードがあったとします。
const hoge: string = 1; const fuga: number = "aaaaa" console.log(hoge); console.log(fuga);
これをwebpack + ts-loaderでビルドすると怒ってくれます。↓
ERROR in /hoge.ts ./hoge.ts [tsl] ERROR in /hoge.ts(1,7) TS2322: Type '1' is not assignable to type 'string'. ERROR in /hoge.ts ./hoge.ts [tsl] ERROR in /hoge.ts(2,7) TS2322: Type '"aaaaa"' is not assignable to type 'number'.
が、Parcelでビルドすると「おっけー」と言って何も怒ってくれません。↓
root@7d465ea36beb:/# parcel build hoge.ts ✨ Built in 1.02s. dist/hoge.js 1.09 KB 935ms dist/hoge.map 271 B 5ms
typescriptでコーディングをする上でのメリットの一つがビルド時にある程度のミスを発見することにあると思っているので、ここは見てほしかった……。
parcel-plugin-typescriptが動かない(とどめ)
下記のプラグインを入れると型などを見て怒ってくれるらしいので、導入を試してみました。
が、動きませんでした。
🚨 SyntaxError: /hoge.ts: Unexpected token (1:10) > 1 | const hoge: string = 1; | ^ 2 | const fuga: number = "aaaaa" 3 | console.log(hoge); 4 | console.log(fuga);
よく分からんところで怒られる……。
調べてみたところParcelの最新版には対応してないようで、ダウングレードをすると動くらしいです(未検証)。
頑張れば動かせそうではありますが、「configファイル無しで動かせる」事にメリットを感じで導入を検討したので、「gulp入れて直でコマンドを叩くようにして、しかもParcelのダウングレードをしないといけないのかあ」と思い、それならまだWebpackで良いやとParcelの導入は今回は見送りました。webpack.config.jsを無くす代わりにgulpfile.jsが増えた時は何してるんだろうと思った。
というわけで今回は断念しました。導入自体はとても楽だったので、アップデートなどでいい感じになった時にはもう一度検討してみたいなあと思います。